「アナザー Another」ネタバレあらすじとラスト解説【感想・評価・考察】

アナザー

 

「アナザー Another」ネタバレあらすじ

【1】眼帯少女・鳴との出会い

1998年の4月。

 

父親の転勤により、夜見山市に引っ越してきた中学3年生の主人公・榊原恒一(山ア賢人)。

 

彼は肺気胸の病気を患っていて、転入してきた夜見山北中学校への初登校前に体調を崩して病院に運ばれてしまう。

 

手術により回復した恒一は、左目に眼帯を付けた不思議な少女・見崎鳴(橋本愛)と院内で出会う。

 

病室の無い地下へ向かおうとする鳴を呼び止めると、彼女は無言のまま霊安室へ入って行った。

 

その1か月後、無事に夜見山北中学校の3年3組に編入された恒一。

 

自己紹介の挨拶の時に、教室の窓際の一番後ろの席にあの眼帯少女・鳴がいることに気づく。

 

しかし、他のクラスメイトは何故か一様に「あそこの席は空席だよ」と言い張り、まるで彼女が存在していないかのように振る舞う。

 

恒一の叔母であり3年3組の副担任を務める三神怜子に相談しても、クラス内のルールを守るようにと言われる。

 

クラスメイトに聞いても、「いないもの」を相手にしてはいけないと謎の警告を受けるだけだった。

 

【2】始まってしまった死の連鎖

釈然としない恒一は、いつも休み時間に教室から姿をくらましてしまう鳴の後を追いかけ、ついに彼女に声をかけて接触する。

 

その光景を目撃したクラスメイトの女子たちは、悲鳴を上げて泣き出してしまう。

 

階段から足を滑らせて死亡する女子生徒。

 

エレベーターの事故に巻き込まれて惨死するクラスメイトの姉。

 

恒一が鳴に話しかけた日を境に、3年3組の関係者たちが次々と命を落としていく恐るべき事件が発生していく。

 

「ルールを破ったせいだ」と口々につぶやくクラスメイト達。

 

ある日、恒一が登校すると、何事かを相談し合っていた他のクラスメイト達が、何を話しかけても恒一を無視するようになった。

 

今度は、恒一までもが鳴と同様にクラスメイトから「いないもの」として扱われるようになってしまったのだ。

 

愕然とする中、自分の机の中に名簿が入れられていることに気づく恒一。

 

よく見ると、恒一と鳴の座っている席に大きな×印が付けられていて、「あとは見崎(鳴)に聞け」と書き残されていた。

 

【3】3年3組に伝わる死のルール

恒一は鳴と共に司書教諭の千曳辰治の所に行き、夜見山北中学校3年3組の恐るべき伝説を聞く。

 

今からさかのぼること26年前(1972年)の夜見山北中学校。

 

当時千曳が担任を務めていた3年3組には、夜見山岬という人気者の女子生徒がいた。

 

ある日、岬は突然死してしまうが、彼女の死をどうしても受け入れられない他のクラスメイト達は彼女の座っていた席に人形を置き、まるで彼女が生きているかのように振る舞い続けた。

 

それ以来、3年3組の世界と死者の世界が混じり合い、存在しないはずのクラスメイトが紛れ込むようになってしまう。

 

一人分余計な魂が加わるせいで、3年3組のクラスメイトやその関係者が次々と死者の世界に引きずり込まれる奇怪な「現象」が発生。

 

しかも、記憶や記録までもが改竄されてしまうため、誰が「死者」なのか分からないのだ。

 

そこで3年3組のクラスメイト達は、これまでずっと生者を一人「いないもの」として扱うことでバランスを取って「現象」を回避してきた。

 

そうとは知らず、恒一がうっかり禁を破ってしまったことで、「現象」が再発してしまったのだ。

 

自分自身が「死者」なのではないかと疑う恒一の発言をあっさり否定する鳴。

 

眼帯で隠している彼女の左目には死の色を見る不思議な能力が宿っていて、人間と死者を見分けることが出来るからだ。

 

異能を持つ自分を怖がって拒絶しない恒一に対し、鳴は次第に心を開いていく。

 

「現象」を調査する恒一と鳴は、恒一の母が3年3組に在籍していた1983年代だけ何故か「現象」がピタッと止まっていることに気づく。

 

旧校舎内で発見したカセットテープを再生してみると、当時のクラスメイトの告白が吹き込まれていた。

 

一人のクラスメイトを殺めてしまったが、誰もその事実に気付いておらず、それ以来「現象」も起きなくなったと語る当時の生徒。

 

つまり、3年3組に紛れ込んでいる「死者」を死の世界に帰してやれば、この「現象」を止められることが判明した。

 

なおも犠牲者が増え続ける中、独自に「現象」を調査していた副担任の怜子は、1983年当時のクラス合宿を契機に「現象」が収まったことを突き止める。

 

これまで「いないもの」として扱ってきた恒一と鳴をクラスに戻した怜子は、混乱するクラスメイト達を説得して合宿を決行。

 

「現象」を止めるために、皆で力を合わせて行動するべきだと提案した。

 

【ラスト結末】「死者」の正体

険悪な雰囲気の中、合宿所に集まったメンバー達。

 

恒一の隠し持っていたカセットテープを一人のクラスメイトが盗み聞きしてしまったことから、「死者」を殺せば「現象」を止められるという情報がクラス内に広まる。

 

一体誰が「死者」なのか分からず、疑心暗鬼に陥った生徒たちは、ついに合宿所で凄惨な殺し合いを始めてしまう。

 

やがて、ガス漏れによる大爆発が起こり、合宿所は火の海に包まれた。

 

命からがら避難する生徒たちの中、恒一は鳴が見当たらないことに気づく。

 

火に包まれている合宿所内に戻った恒一と千曳(袴田吉彦)は、鎌を振り上げて怜子(加藤あい)に襲い掛かる鳴の姿を発見。

 

3年3組に紛れ込んでいた「死者」の正体は、副担任の三神怜子だったのだ。

 

千曳が怜子を問い詰めようとすると、柵が外れて落下し、火の海に飲まれた千曳が死亡してしまう。

 

叔母が「死者」であることを信じたくない恒一は、落下しそうになった怜子の腕を掴んで彼女を助けようとする。

 

しかし、すべての真実を悟った怜子は恒一の手を振り払い、自らの意思で火の海に身を投じた。

 

三神怜子が死者の世界に帰ると、恒一と鳴以外のクラスメイトの記憶から怜子の存在が消えていた。

 

「現象」は終わったのだ。

 

恒一は再び「現象」が再発した時に備え、これまでの顛末をカセットテープに吹き込み、未来の3年3組の生徒達に託すことにした。

 

そして時は流れ、2012年の夜見山北中学校。

 

3年3組の教室では、死んだはずの千曳が担任教師として教壇に立っていた。

 

「アナザー Another」の感想・考察・評価

 

「アナザー Another」の評価:81点

 

人気小説家・綾辻行人さんの原作を実写化した映画だけあって、全体を通して不気味な世界観が忠実に描かれています。

 

一人のクラスメイトの存在が不自然に無視される中、ひょっとして見崎鳴は幽霊なのではないかと視聴者をミスリードさせる巧みな演出。

 

そして真実が明らかになった後、3年3組に紛れ込んでいる「もう一人」のクラスメイトが一体誰なのか気になって、終盤までグイグイ引き込まれていきました。

 

疑心暗鬼になったクラスメイト達が殺し合いを始めるという衝撃的な展開も、人間の醜さを残酷なまでに描いていて印象的でした。

 

そもそもこの「現象」は、夜見山岬という人気生徒の死を周りのクラスメイト達が正しく扱わなかったことが発端です。

 

生まれてきたものはいつか必ず死に、生者はその死を弔わなければならない。

 

物語のラストで、怜子の死を受け入れられない祖母に対して恒一が言った「ちゃんと供養してあげよう」という言葉が、本作品のメッセージのような気がしました。

 

 

また、重要な登場人物である眼帯少女・見崎鳴役を実力派女優の橋本愛さんが怪演。

 

3年3組のクラスメイト達を守るために「いないもの」として扱われている時と、恒一という仲間が出来てから心を開くようになった時とで感情表現が大きく異なり、単なるホラー物とは一線を画す青春ドラマとしても楽しめました。

 

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